子どもの文理選択、親にできることは?
──答えは「一緒に話すこと」でした。
行きたい大学も、学びたい学問も、なりたい職業もまだ見えていない。
そんな迷いの中にいるお子さんを前に、戸惑う保護者の方も多いのではないでしょうか。
けれど、進路に悩む時期だからこそ、いちばん近くにいる家族だからこそできるサポートがあります。この記事では、実際の家庭での対話や気づきを通して、文理選択のヒントを探っていきます。
はじめに:「進路指導ラッシュ」が始まった
「夏休みに、大学のオープンキャンパスに最低2校、企業の職場体験にも行かなきゃならない…」
夏休み目前。
娘が大量の進路資料や、適当に記入したであろう自己分析シートを抱えて帰ってきました。
彼女の通う中高一貫校では、高校1年生になった途端、進路指導の「熱量」がぐっと高まってきました。
OBOGの講演や職業講義など、学校も本気です。
のんびり屋の娘もようやく重い腰を上げはじめた…かに見えましたが、そんなに簡単にはいかず。
娘の本音に戸惑う母
「文系・理系どっちを選べばいいかわからない。そもそも大学行く意味あるの?」
彼女のそんな言葉に、正直、親として焦りました。
勉強が嫌いな子ではない(たぶん・・・)
中学受験も経験し、せっかく今の環境にいるのだから、私は大学進学を前提に考えていました。
でも、彼女は納得していない様子…。やみくもに「大学に行きなさい」と言っても響かない。
そこで、一緒に進路を考える時間を持つことにしました。
進路冊子も自己分析もピンとこない
まずは、進路指導の冊子にパラパラと目を通してみましたが……
正直、全然おもしろくない。これで進路を決めろって、ちょっと酷じゃない?と思ってしまいました。
次に、自己分析シート。
…うん、これも本人が適当に回答しているせいか、進路選びのヒントは皆無。
この時点で、親子そろって軽く思考停止・・・状態でした。
文理選択の基本ポイントを調べてみた
やっぱり頼りになるのはインターネット。文理選択について調べてみました。
様々な教育メディアが共通して挙げていたのは、次のようなポイントです。
- 将来の職業や仕事から逆算する
- 学びたい学問から選ぶ
- 入試科目から考える
……でも、将来やりたい職業も学問も定まってないから困ってるんだけどなぁ、というのが正直なところ。
それでも、いくつかのサイトを読み進める中で、「これは」と思える言葉に出会いました。
「親子でじっくり話すこと」が最大のヒントだった
一番しっくりきたのが、「家庭でじっくり話す時間を持つ」というアドバイスでした。
彼女を誰よりも見てきた自負があります。だったら、普段の会話の中にヒントがあるはず。
私たちはよく話します。
ニュース、学校、部活、友人関係、本、映画、動画…。
日常のあれこれに、彼女の興味や価値観が散らばっていました。
娘の進路希望を整理してみた
彼女との会話をもとに、現時点での希望を整理してみました。
- やりたい職業・学問はまだないが、やりたくないことは明確にある
- 文理の枠には囚われたくない
- 心理学・経済学・データサイエンスなど、実学として役立つことを学びたい
- 東京近郊の大学を希望(文化や利便性へのこだわり)
- 国公立希望だが、共通テストの過去問を見るとイライラする…でも挑戦したい
- 数学・化学は好きだけど、「ガチ理系」は向いてなさそう
- 社会2科目は「がんばれる気がしない」
- 研究職よりも、コミュ力を活かした仕事の方が向いてそう
- 偏差値の高い大学の方が、刺激的でおもしろそう
- 年収1,000万を目指したい!
- たくさん稼いで、たくさん旅行に行きたい!
最後の2つが一番本音かもしれません(笑)。
でも、それでいいのかもしれない。
ようやく「これなら学んでみたいかも」という分野が浮かび上がってきました。
おわりに:小さな“好奇心の種”を育てたい
この過程の中で思ったのは、進路選びに正解はないということ。
誰かのテンプレートに合わせるより、まずは本人の
“違和感” や “こだわり”
を丁寧に拾い上げること。
彼女の進路選びはまだまだ始まったばかりですが、
その中に見えた小さな好奇心の種を、親として大切に育てていきたいと思います。
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