近年、大学の「経営学部」や「経営系学部」が増加していることをご存じでしょうか。
高校生の進路相談でも、「とりあえず経営学部」「将来の選択肢が広そうだから」といった声をよく耳にします。
一方、保護者としては
・本当に就職に有利なの?
・将来の年収は高くなる?
といった疑問も尽きません。
この記事では、なぜ今、経営学部が増えているのか、そして就職や将来年収との関係を、親目線で整理していきます。

将来は、年収の高い仕事に就きたいな〜。

金融やコンサルは年収が高いイメージだけど、競争も激しいし、営業ノルマも大変そうね。

資格を取るのもアリかな?
でも、タイパ重視で、勉強した分がちゃんと報われる資格がいいなぁ。

専門職は年収が高いイメージがあるけど、難関資格=高収入とは限らないのよね。
何に時間とお金をかけるかは、慎重に考えたいわね。
進路選びは、「やりたいこと」だけでなく、現実的なお金の話も避けて通れません。
なぜ今、経営学部が増えているのか?
文理の壁が低く、受験生が集まりやすい
経営学部は大学の分類上は文系(社会科学系)ですが、実際の学びでは数学・統計・情報を活用する場面も多く、文系・理系どちらの高校生にも門戸が開かれています。
入試科目でも
・社会または数学から選択可能
(詳しくは、「【経営学部の入試科目は?】文系?理系?MARCH・東京理科・上智・横国・都立大の経営学部の受験科目の一覧」)
・数学重視の方式を設ける大学も増加
(詳しくは、「【保護者目線で大学探し】オープンキャンパスに参加しました(東京理科大学経営学部編))
といった傾向があり、文理問わず受験しやすい学部と言えるでしょう。
文系:数学が苦手でも挑戦しやすい
理系:数学・データ分析の強みを活かせる
大学側にとっても、幅広い受験生を集めやすい学部です。
企業が求める人材像の変化
近年の企業では、
「数字を読む → データを分析 → ビジネスに活かす」
という力が強く求められています。
そのため、
「経営 × データ × IT」を学べる経営学部は企業ニーズと非常に相性が良く、大学が力を入れて新設・拡充する流れが続いています。
少子化時代の「大学経営」という現実
少し現実的な視点ですが、
・高額な実験設備が不要
・教員配置の自由度が高い
といった理由から、経営学部は設置・運営コストが比較的低い学部でもあります。
少子化の中でも安定的に学生を確保しやすい点も、増加の背景の一つです。
経営学部は就職に強い?進路の特徴
就職先の「間口」がとにかく広い
経営学部卒業生の進路は非常に幅広く、特定業界に縛られません。
以下は、MARCH・東京理科大・上智・横浜国立大・東京都立大の経営系学部における、
就職先データ(大学公式HPより)をもとに整理した対象大学一覧です。
| 大学名 | 学部名 | 就職者の割合 (卒業者ベース) | 業種別 TOP3 |
| 明治 | 経営学部 | 86.4% | 1. 情報・通信 2. メーカー 3. 金融・保険 |
| 青山学院 | 経営学部 | 88.9% | 1.情報・通信 2.金融・保険 3.卸・小売 |
| 立教 | 経営学部 | 89.0% | 1.金融・保険 2. 情報・通信 3.サービス |
| 中央 | 国際経営学部 | 82.4% | 1. 通信・情報 2. 卸・小売 3. メーカー |
| 法政 | 経営学部 | 89.4% | 1. サービス 2. 情報・通信 3. 金融・保険 |
| 東京理科 | 経営学部 | 84.7% | 1.情報・通信 2.学術研究、専門、技術サービス 3.金融 |
| 上智 | 経済学部 経営学科 | 84.4% | 1. 情報・通信 2. 調査・専門サービス 3. 金融 |
| 横浜国立 | 経営学部 | 89.3% | 1.学術研究、専門、技術サービス 2.情報・通信 3.金融・保険 |
| 東京都立 | 経済経営学部 経営学 | 92.3% | 1.情報・通信 2.金融・保険 3.学術研究、専門、技術サービス |
※「学術研究、専門、技術サービス」とは、税理士法人、監査法人、コンサルティング等を含みます。
大学ごとに多少の違いはありますが、「情報・通信」と「金融・保険」が上位に挙がってくる点が共通しています。
また、「将来やりたいことがまだ決まっていない」高校生にとって、進路の選択肢が多い学部と言えます。さらに、起業を目指す学生にとっても、必要な知識を学ぶことはできると言えるでしょう。
総合職・企画職との相性が良い
マーケティング、会計、組織論などを学ぶ経営学部は、企業の総合職・企画系職種との親和性が高いのも特徴です。
結果として、
・若いうちから裁量ある仕事を任されやすい
・昇進スピードが比較的早い
といったケースも見られます。
経営学部と将来年収の関係
年収は「学部」より「職種」で決まる
まず大前提として、
経営学部=高年収が保証されるわけではありません。
ただし、経営学部卒業生は
・営業
・企画
・コンサル
といった成果や昇進で年収が伸びやすい職種に進みやすい傾向があります。
管理職・マネジメント層との親和性
経営学部で学ぶ内容は、
将来的に管理職・マネジメントに就いたときに活きやすいのも特徴です。
短期的に大きく稼ぐというより、
「長期的にじわじわ年収が伸びやすい学部」と言えるでしょう。
経営学部のメリット・デメリット
メリット
- 就職先の選択肢が広い
- 文理どちらからも進学しやすい
- 社会に出てから役立つ知識が多い
デメリット
- 専門性がぼやけやすい
- 「自分は何を強みにするか」を意識しないと埋もれやすい
メリットとデメリットは表裏一体と言えるでしょう。
どんな職業でもそうですが、自分を磨くことが肝心です。
経営学部と相性の良い高校科目
最後は、経営学部で学ぶために高校でどの科目に注力すべきかを見ていきましょう。
| 科目 | 理由 |
| 数学ⅠA・ⅡB | 統計・データ分析の基礎 |
| 公共 | 経済・社会の仕組み理解 |
| 情報 | DX・データ活用に直結 |
| 英語 | 論文・企業資料・就活で必須 |
そして、すべての学問の土台になるのが国語。情報のインプット・アウトプット、そして思考に磨きをかけていくのにも国語力が必要になります。
(詳しくは→【子どもへの接し方】『「超」勉強法』から学んだこと)
【まとめ】 経営学部は「伸びしろのある学部」
経営学部が増えている背景には、
・企業からのニーズ
・学生人気
・大学経営
という複数の理由があります。
就職に直結する専門職ではありませんが、どの業界にも応用できる力を身につけられる学部であり、
結果として就職・年収のチャンスを広げやすいのが経営学部の強みです。
大切なのは、「経営学部に入ること」ではなく、入学後に何を学び、どう強みを作るか。
保護者としては、高校での科目選択と併せて、こうした視点を早めに親子で共有しておきたいところです。


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