「推薦で行けるといいね」——そう思いながらも、総合型選抜・学校推薦型選抜・指定校推薦の違いがよくわからないまま、気づいたら高3になっていた。そんな保護者は少なくないのではないでしょうか。
実は、この3つの入試方式は準備を始めるべき時期が高1からです。しかも、保護者の関わり方が合否に直結する場面が、一般入試より多くあります。この記事では、塾や予備校のサイトではあまり語られない「保護者として知っておくべきリアルな情報」を中心に、3つの入試方式をわかりやすく解説します。

おかぁちゃん、先日、学校で進路のガイダンスがあったけど、総合型選抜や学校推薦型選抜の準備は楽じゃないって言ってたよ。一般入試を受けさせたいのかな・・・。

最近では、年内入試で大学を決める学生が多くなってきた、というニュースも聞くわ。そうなると、一般入試はますます狭き門だね。(💧)
「一般入試だけで戦う」のが年々厳しくなっている現実
保護者世代の感覚では「推薦は一部の子が使う特別な入試」というイメージがあるかもしれません。しかし現在は状況が大きく変わっています。文部科学省の令和7年度調査によると、総合型選抜による入学者は全体の19.5%、学校推薦型選抜は34.1%となっています(出典:文部科学省「令和7年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」)。
さらに深刻なのが、一般入試の難化です。河合塾の調査(2026年5月22日現在・私立523大学集計)によると、私立大学一般入試の倍率はこのように変化しています。
| 年度 | 志願者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 約196万人 | 約62万人 | 3.2倍 |
| 2025年度 | 約205万人 | 約57万9千人 | 3.5倍 |
| 2026年度 | 約225万6千人 | 約54万7千人 | 4.1倍 |
(出典:河合塾「私立大入試結果(全体)」2026年5月22日現在)
わずか3年で倍率が0.9ポイント上昇し、志願者は増える一方で合格者数は絞られています。特に大学グループ別では難化が顕著です。
| 大学グループ | 2024年度倍率 | 2025年度倍率 | 2026年度倍率 |
|---|---|---|---|
| MARCH(一般) | 4.6倍 | 5.1倍 | 5.7倍 |
| 日東駒専(一般) | 3.3倍 | 4.1倍 | 5.1倍 |
| 産近甲龍(一般) | 4.6倍 | 5.2倍 | 6.1倍 |
(出典:同上)
MARCHを一般入試で目指す場合、約6人に1人しか合格しない計算になります。また、国公立大学の総合型選抜志願者数も2024年度の約2万2千人から2025年度の約2万6千人へと前年比116%増となっており(出典:河合塾「学校推薦型・総合型選抜の全体概況」2025年8月29日現在)、推薦・総合型も年々競争が激しくなっています。
📌 一般入試・推薦型・総合型、どの方式も年々競争が激しくなっています。高1から方向性を意識して動き始めることが、わが子の選択肢を広げることにつながります。
まず整理:3つの入試の違いを一覧で確認
| 総合型選抜 | 学校推薦型(公募) | 指定校推薦 | |
|---|---|---|---|
| 誰が推薦するか | 不要(自己推薦) | 高校 | 高校(大学から枠が来る) |
| 評定平均の重要度 | 低〜中 | 中〜高 | 非常に高い |
| 合格の確実性 | 低〜中 | 中 | 高い |
| 準備開始時期 | 高1〜 | 高2〜 | 高1〜 |
| 併願 | 大学による | 大学による(専願・併願を確認) | 基本的に不可 |
① 総合型選抜——「わが子に向いているか?」を見極める
総合型選抜とは
総合型選抜は、2021年度にそれまでの「AO入試」から名称が変わった入試方式です。単なる名称変更ではなく、基礎的な学力を評価する要素が強化された点が大きな違いです。大学が定める「求める学生像(アドミッション・ポリシー)」に合致する学生を、志望理由書・面接・小論文・プレゼンテーションなどを通じて多面的に評価します。
スケジュールの目安(私立大学の場合)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高2 | 探究活動・課外活動・志望校のリサーチ |
| 高3・6〜8月 | 出願書類の作成・オープンキャンパス参加 |
| 高3・9月前後 | 出願 |
| 高3・10〜11月 | 選考(面接・小論文など) |
| 高3・11〜12月 | 合格発表 |
※ 大学・学部によってスケジュールは大きく異なります。必ず各大学の公式サイトで確認してください。なお2026年度入試から、総合型選抜・学校推薦型選抜でも条件付きで2月より前に個別学力試験を実施できるよう制度が変更されています(出典:文部科学省)。
「うちの子に向いているか?」を見極める
向いている子の特徴
- 特定の分野に強い興味・関心がある
- 自分の考えを言葉や文章で表現するのが得意
- 部活・ボランティア・探究活動など課外での実績がある
- 「なぜその大学・学部なのか」を自分の言葉で語れる
慎重に考えたい場合のサイン
- 「なんとなく受けてみたら?」という周囲の勧めだけで動いている
- 志望理由が「家から近いから」「偏差値的に受かりそうだから」にとどまっている
- 準備に時間を取られて一般選抜の勉強が手薄になるリスクがある
⚠️ 総合型選抜の準備は、志望理由書の作成・面接練習・小論文対策など非常に時間がかかります。「とりあえず受けてみる」という感覚で臨むと、準備が中途半端になり、一般選抜の勉強にも影響する可能性があります。
保護者が陥りやすいNG行動
❌ 志望理由書を親が代わりに書く・大幅に書き直す
面接では「志望理由書に書いたこと」について深く掘り下げて質問されます。親が書いた内容では、面接で自分の言葉で答えられず、かえって不合格につながるリスクがあります。総合型選抜では主体性が重視されるため、保護者が過度に手を出すことは逆効果です。
❌ 「総合型で受かれば楽」という発想で勧める
総合型選抜の準備の内容は一般入試とまったく異なります。「楽な道」として安易に勧めるのは危険です。
❌ 一般選抜の勉強を完全にやめさせる
総合型選抜は不合格になる可能性もあります。結果が出るのは11〜12月で、その後すぐ一般選抜の本番が来ます。総合型に集中しすぎて一般選抜の準備が手薄になると、不合格後に取り返しがつかなくなります。
保護者にできる「正しいサポート」
✅ 子どもの「好き・気になること」を日頃から拾っておく
子どもが何かに関心を示した時、「へえ、そうなんだ」で終わらせず「どうしてそう思うの?」「なぜそれに興味を持ったの?」と問いかけてみましょう。この「なぜ?」の繰り返しが、志望理由書や面接で問われる「自分自身の考え」を構築する土台となります。
✅ オープンキャンパスに一緒に参加する
総合型選抜では「なぜこの大学なのか」を具体的に説明できることが重要です。オープンキャンパスで実際に大学の雰囲気を感じた体験は、志望理由書や面接の説得力を高めます。
✅ スケジュール管理のサポートをする
出願期限・書類の郵送締め切り・面接日程など、総合型選抜は管理すべき日程が複雑です。カレンダーで一覧化するなど、見落とし防止のサポートが有効です。
✅ 「プランB」を必ず持つ
総合型選抜の結果がどうであれ、一般選抜の準備を並行して進めておくことを家族で合意しておきましょう。「推薦一本」に絞るのは、よほどの確信がない限りリスクが高いです。
② 学校推薦型選抜(公募推薦)——「不合格後」まで想定して動く
公募推薦とは
学校推薦型選抜(公募推薦)は、高校の校長から推薦状をもらったうえで出願する入試方式です。総合型選抜と違い高校からの推薦が必要ですが、指定校推薦と違って特定の高校に限定されず全国から応募できます。選考では主に評定平均・小論文・面接・志望理由書が評価されます。
⚠️ 一般的には3.5〜4.0以上を出願条件としている大学が多く、難関大学や人気学部では4.2以上を求める場合もあります。志望校の募集要項で必ず確認してください。
スケジュールの目安
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高2 | 評定平均を意識した定期テスト対策 |
| 高3・9〜10月 | 出願書類の準備・小論文・面接対策 |
| 高3・11月 | 出願・試験(面接・小論文) |
| 高3・12月 | 合格発表 |
| 高3・12月〜 | 不合格の場合→一般選抜の準備へ |
塾サイトが語らない「不合格後のスケジュール圧迫」問題
公募推薦の合否発表は12月頃で、一般選抜の出願時期は12月中旬から1月頃です。学校推薦型選抜で不合格になってから一般選抜対策の勉強を始めていては、間に合わないこともあります(出典:Z会グループ ディアロ)。つまり、公募推薦の結果を待っている間も、一般選抜の準備を並行して進めておかなければならないということです。

推薦入試って、何か特技がないと合格が難しいんでしょう?
英語資格とか、理系だと◯◯オリンピック入賞とか。私、何もないから難しいかな⋯。💧
探究活動のプレゼンテーションで合格された先輩もいたな。レベチ過ぎて真似できない💦

そうね、総合型選抜はかつてのAO入試だけれど、どの入試にしても、何かしら自分をアピールする材料が必要ね!

それから、年内入試でだめだった場合に、一般に切り替えるのは準備が間に合わなさそう・・・。夏休み明けは、文化祭もあるし、学校行事との両立が悩ましい。高校生活最後の行事は、思い切り楽しみたい~

(むむむ・・・)早めに戦略を立てる必要がありそうね。
保護者が知っておくべき「専願・併願」の落とし穴
公募推薦を用意している大学の中には出願時に「専願」という条件 を定めているケースがあります。専願の公募推薦の場合、受かったら入学が基本的には義務付けられます。つまり、志望度が低い大学の公募推薦を受けると、より志望度の高い大学に入学するチャンスを手放す恐れがあります(出典:ホワイトアカデミー高等部)。「とりあえず推薦で受けてみる」という判断が、第一志望への道を閉ざすことがあるという点を、保護者としてしっかり把握しておきましょう。
保護者にできるサポート
- 小論文のフィードバックは「読者」として行う。あくまで「読んでわかりにくかった点を伝える」レベルにとどめましょう。論点や構成を親が決めてしまうと、面接で「自分の考え」として説明できなくなるリスクがあります。
- 面接練習の相手になる。「なぜこの大学なのか」「高校で頑張ったことは何か」を繰り返し話せるよう、食事の時間などを活用して会話の練習相手になりましょう。
- 一般選抜との両立スケジュールを一緒に確認する。推薦対策に集中しすぎて一般選抜の勉強が止まらないよう、週ごとの学習スケジュールを子どもと一緒に確認しましょう。
③ 指定校推薦——「高1の1学期」が運命を決める
指定校推薦とは
指定校推薦は、大学が特定の高校に「推薦枠(何名まで推薦を受け付ける)」を設定し、その高校内で選考された生徒だけが出願できる入試方式です。最大の特徴は合格率の高さです。校内選考を通過して大学に出願すれば、よほどのことがない限り合格します。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高1〜高3・1学期 | 評定平均を積み上げる(ここが最重要) |
| 高3・6〜7月 | 学校から指定校の枠一覧が発表される |
| 高3・7〜8月 | 校内選考に応募・担任に相談 |
| 高3・9月 | 校内選考の結果発表 |
| 高3・10〜11月 | 大学へ出願・面接など |
| 高3・12月 | 合格発表 |
「高1の1学期」が勝負——評定平均のしくみ
評定平均は高校1年生1学期から高校3年生1学期までの成績が対象となります。高校2年生修了時で評定平均の8割は決定しているため、推薦入試に関しては高校3年生での逆転はかなり難しいと言わざるを得ません(出典:栄光ゼミナール)。
つまり保護者として知っておくべきは——
📌 「指定校推薦は高3から頑張っても遅い」
高1の最初の定期テストから、すでに勝負は始まっています。
評定平均で気をつけたい「実技教科の落とし穴」
実技教科(体育・芸術・家庭)に手を抜いてしまう人が多いですが、実技教科も評定平均に入ってくるので、すべての教科にまんべんなく力を入れることが大切です(出典:栄光ゼミナール)。また、評定平均は定期テストの点数だけでなく、課題の提出状況や授業への取り組み姿勢も考慮されます(出典:StudySearch)。
「校内競争」のリアル——友人と枠を争う現実
同じ大学の枠を希望する生徒が複数いた場合、学校内で選考が行われます。選考基準は学校ごとに非公開ですが、評定平均が高い生徒が優先されることが一般的です。仲のよい友人と同じ大学の枠を争う状況になることも珍しくありません。「もし同じ大学を希望する子が他にもいたらどうする?」という話を、高3の春頃には子どもと穏やかに話し合っておくことをおすすめします。
「入学後のギャップ」問題——指定校推薦のリアル
指定校推薦で入学したあと、実際に「後が大変だった」と感じた人は全体の35%にのぼります(出典:塾選ジャーナル・2025年7月調査)。合格後も入学予定の学部に関連する勉強・読書・語学学習などを続けるよう、保護者としてサポートしていきましょう。
- 入学予定の学部・学科の教科書や入門書を読み始める
- 英語力の維持(特に語学系・国際系学部)
- 大学から「入学前課題」が出る場合は丁寧に取り組む
- 規則正しい生活習慣を崩さない
④ 年内入試で合格を確保しつつ、国公立も受けられるのか?
保護者からよく出る質問のひとつが「私立の推薦で合格を確保しておいて、念のため国公立も受けることはできないの?」というものです。結論は入試方式によって全く異なります。
| 入試方式 | 国公立との併用 | 合格後の辞退 |
|---|---|---|
| 指定校推薦 | ❌ 原則不可 | ❌ 原則不可(後輩の枠に影響) |
| 公募推薦(専願) | ❌ 不可 | ❌ 不可 |
| 公募推薦(併願可) | ⭕️ 可能な大学あり | ⭕️ 可能(期限内に手続き) |
| 総合型選抜(専願) | ❌ 不可 | ❌ 不可 |
| 総合型選抜(併願可) | ⭕️ 可能な大学あり | ⭕️ 可能(要事前確認) |
❌ 指定校推薦——辞退は「後輩への迷惑」になりうる
指定校推薦で合格が決まった場合、基本的に入学辞退はできません。指定校推薦枠は出身高校の進学実績をもとに設定されるケースが多いため、合格後に辞退すると翌年以降の後輩が同じ大学の推薦枠を使えなくなる可能性があります(出典:スタディサプリ進路)。
📌 国公立も視野に入れているなら、指定校推薦は使わないというのが大原則です。
⭕️ 総合型選抜・公募推薦——「専願か併願か」を募集要項で必ず確認
総合型選抜では、募集要項に「専願」「入学確約」と明記されていない限り、原則として他大学との併願が可能です。ただし現実は複雑で、以下の点に注意が必要です。
- 国公立大学同士の重複出願は原則不可。筑波大学・千葉大学・東京都立大学・横浜市立大学など国公立大学も総合型選抜を実施していますが、他の国公立大学の推薦・総合型との重複出願は認められないケースがほとんどです。
- 私立大学は学部・方式によって異なる。中央大学・立教大学・早稲田大学など有名私立大学も総合型選抜を実施していますが、同じ大学でも学部によって専願が求められる方式と併願可能な方式が混在しています。
- 「専願」の定義も大学によって異なる。「合格した場合は必ず入学すること」と明記している大学もあれば、入学確約なしで出願できる大学もあります。
⚠️ 保護者が必ずやること:志望校の最新募集要項を子どもと一緒に開き、「専願」「入学確約」「他大学との併願」に関する記載を必ず確認してください。同じ大学でも年度によって変わることがあります。前年度の情報をそのまま信じず、出願年度の公式募集要項を確認することが鉄則です。
「専願の私立推薦」と「国公立一般入試」を両立する現実的な戦略
私立の年内入試(専願)と国公立の一般入試を両立させたい場合の現実的な戦略として多いのが以下のパターンです。
- パターンA:総合型選抜(専願)+国公立一般入試。総合型選抜は10〜11月に結果が出るため、不合格だった場合でも国公立の一般入試(2〜3月)に間に合います。ただし総合型選抜の準備と一般入試の勉強を並行させる必要があります。
- パターンB:公募推薦(併願可の私立)で安全網を作りつつ国公立を目指す。併願を認めている私立大学の公募推薦を受け、合格を確保した状態で国公立の一般入試に臨む方法です。精神的な安心感が一般入試の本番に好影響を与えるケースもあります。

推薦で受かっておいて、国立も受けるってアリかな?

方式によるのよ。指定校推薦は辞退したら後輩に迷惑がかかるから絶対ダメ。でも、最初から併願OKと書いてある推薦や総合型なら、合格後に辞退するのはルールの範囲内よ。

じゃぁ、最初に募集要項を確認するのが大事なんだね。

そう。”専願か併願か“の4文字が、受験戦略を大きく変えるの。
うまくいけば、受験する大学を節約できるかもしれないね!
⑤ 保護者が高1からやっておくべき5つのこと
ここまで3つの入試方式を解説してきました。共通して言えるのは「高3になってから動き始めても遅い」という現実です。では保護者として、今すぐ何ができるのでしょうか。
✅ その1:評定平均の仕組みを理解して、子どもと共有する
推薦・総合型を少しでも視野に入れるなら、まず保護者自身が「評定平均とは何か」を正しく理解しておく必要があります。評定平均は高校1年生1学期から高校3年生1学期までの成績で決まります(出典:ベネッセ教育情報)。保護者が知っておくべきポイントはこちらです。
- 全教科が対象——「苦手な数学は捨てる」という考え方は評定平均を下げます。体育・音楽などの実技教科も含まれます
- 定期テストの点数だけでない——課題の提出状況・授業態度・出席日数も評価に影響します
- 高3での挽回は難しい——高2修了時点で評定の約8割が確定します
💡 保護者のアクション:高1の最初の定期テスト後に通知表を一緒に見ながら「この点数が大学入試にも関係してくる」という話を自然な形でしておきましょう。
✅ その2:学校の進路指導室・担任との関係を早めに作る
指定校推薦の枠情報は、基本的に学校の先生経由でしか手に入りません。どの大学・学部にどれだけの推薦枠があるのか、過去の進学実績や校内選考の有無などについて先生に尋ねてみましょう。年によって指定校推薦の枠に変更がある場合もあるため、先生に最新の状況を確認しておきましょう(出典:スタディサプリ進路)。
💡 保護者のアクション:三者面談や学校行事を積極的に活用して担任との関係を作りましょう。「うちの子は〇〇に興味があるのですが、推薦の枠はありますか?」と早めに聞いておくと、先生も意識して情報を共有してくれるようになります。
✅ その3:オープンキャンパスに高1・高2から一緒に参加する
「オープンキャンパスは高3になってから」と思っている保護者が多いですが、推薦・総合型を視野に入れるなら高1・高2からの参加が武器になります。オープンキャンパスで実際に見て感じた体験は、どんな参考書にも載っていない「自分だけの志望理由」の根拠になります。保護者が一緒に参加することで、大学の雰囲気・校風を親子で共有でき、家庭での志望校についての会話も具体的になります。
💡 保護者のアクション:高1の夏から「志望校候補を見に行こう」という気軽なスタンスで複数の大学に足を運んでみましょう。決めに行くのではなく「見に行く」感覚で十分です。
✅ その4:子どもの「好き・得意・気になること」を記録しておく
総合型選抜の志望理由書や面接では「あなたはなぜこの分野に興味を持ったのですか?」という問いに、高校入学前後からの具体的なエピソードで答えることが高く評価されます。
💡 保護者のアクション:スマホのメモや家族のグループチャットに「今日娘が〇〇に興味を示した」「〇〇を見てこんなことを言っていた」という記録を残しておきましょう。高3になったとき、この記録が志望理由書の「ネタ帳」になります。
✅ その5:「プランB(一般選抜)」を常に持つ
推薦・総合型は必ず合格するとは限りません。保護者として最も重要な役割のひとつが「プランBを家族で合意しておくこと」です。推薦準備と一般選抜の勉強は並行して進める必要があります(出典:河合塾マナビス)。
⚠️ 「推薦で受かると思っていたから一般の準備をしていなかった」という状況は、子どもを精神的に追い詰めます。不合格後に泣きながら一般の対策を始める——そんな事態を防ぐために、プランBを高2の段階で家族で話し合っておきましょう。

指定校や総合型を受けるには、5教科以外の成績も重要だったのね😂
油断してたな~。

そうね。推薦を狙うなら、早い時期から準備が必要ね。
各教科の評価基準を先生に確認しておくことも大切ね。
高1からの行動まとめカレンダー
| 時期 | 保護者がやること |
|---|---|
| 高1・入学直後 | 評定平均の仕組みを子どもと共有する |
| 高1・夏 | オープンキャンパスに一緒に参加(見るだけでOK) |
| 高1・通年 | 子どもの「好き・気になること」をメモしておく |
| 高1〜高2 | 担任・進路指導室との関係を作る |
| 高2・秋 | 志望校の入試方式を調べ始める(推薦か一般か) |
| 高2・冬 | プランB(一般選抜の受験計画)を家族で合意 |
| 高3・春 | 指定校推薦の枠を進路指導室で確認 |
| 高3・夏 | 推薦・総合型の準備と一般選抜の勉強を並行スタート |
⑥ わが家はどの入試方式を選ぶべきか——タイプ別チェック
🔵 指定校推薦に向いている子
- 高1から定期テストをコツコツ頑張ってきた
- 評定平均が4.0以上ある(または目指せる状況にある)
- 特定の大学・学部へ強い志望がある
- 穏やかな性格で、面接・書類審査が比較的得意
- 一般入試の勉強よりも、安定した結果を重視したい
⚠️ ただし「楽だから」「滑り止めとして」という理由だけで選ぶのは要注意。入学後のミスマッチや、後輩の枠に影響するリスクを十分に理解した上で選択しましょう。
🟢 公募推薦(学校推薦型選抜)に向いている子
- 評定平均が3.5〜4.0以上ある
- 小論文・面接の対策を頑張れる
- 特定の大学・学部に行きたい気持ちが明確
- 一般選抜との並行準備ができる精神的な強さがある
💡 公募推薦は「専願か併願か」で戦略が大きく変わります。国公立も視野にあるなら、必ず併願可能な大学を選びましょう。
🟡 総合型選抜に向いている子
- 特定の分野への強い関心・探究心がある
- 自分の考えを言葉や文章で表現するのが得意
- 部活・ボランティア・課外活動などの実績がある
- 「なぜその大学・学部なのか」を自分の言葉で語れる
- 評定平均はそこまで高くないが、個性・熱量がある
⚠️ 総合型選抜は準備に時間がかかります。「とりあえず受けてみる」という感覚で臨むと、一般選抜の勉強が手薄になるリスクがあります。
🔴 一般選抜に向いている子
- 学力試験で実力を発揮できるタイプ
- 推薦・総合型の準備(書類・面接・小論文)が苦手
- 評定平均は高くないが、試験本番に強い
- 浪人も視野に入れて最後まで実力を伸ばしたい
- 志望校が難関校で、推薦・総合型の枠が少ない
「複数の方式を組み合わせる」という現実的な選択肢
| 組み合わせ | 内容 |
|---|---|
| 総合型(専願)+一般選抜 | 総合型で10〜11月に結果を得て、不合格でも一般選抜に切り替え |
| 公募推薦(併願可の私立)+国公立一般 | 私立の合格を確保した状態で国公立に挑む |
| 指定校推薦+なし | 指定校合格後は入学確定。一般との併用は原則不可 |
| 共通テスト利用(私立)+国公立前後期 | 共通テスト1回の結果で私立も国公立も受験 |

調べてみると、アタシは推薦入試にはあまり向いていないかもしれないけど、選択肢をなるべく残しておきたいので、もう少し調べてみる。今度、某国立大学の学校推薦型選抜のオンライン説明会があるから申し込んでみる!

そうね。色々話を聞いたら、考えが変わるかもしれないしね!
がんばって~
まとめ——保護者が今すぐできることから始めよう
3つの入試方式・おさらい比較表
| 総合型選抜 | 公募推薦 | 指定校推薦 | |
|---|---|---|---|
| 推薦者 | 不要(自己推薦) | 高校の校長 | 高校の校長(大学から枠が来る) |
| 評定平均の重要度 | 低〜中 | 中〜高(3.5以上が目安) | 非常に高い(4.0以上が目安) |
| 合格の確実性 | 低〜中 | 中 | 高い(校内選考通過後) |
| 国公立との併用 | 大学による | 大学による(専願・併願を確認) | 原則不可 |
| 合格後の辞退 | 大学による | 大学による | 原則不可(後輩の枠に影響) |
| 準備開始時期 | 高1〜 | 高2〜 | 高1〜(評定積み上げ) |
保護者として「今すぐできること」5つの再確認
- 評定平均の仕組みを子どもと共有する——高1の1学期からカウントが始まっている
- 担任・進路指導室との関係を作る——指定校の枠情報は先生経由でしか手に入らない
- オープンキャンパスに一緒に参加する——高1・高2からが理想。「見るだけ」でOK
- 子どもの「好き・気になること」を記録しておく——志望理由書の「ネタ帳」になる
- プランBを家族で合意しておく——推薦・総合型が不合格でも慌てない準備を
私立大学の一般入試の倍率は年々上昇しており、2026年度はMARCHで5.7倍、日東駒専で5.1倍(河合塾調べ)に達しています。「なんとなく一般入試で頑張れば受かるだろう」という時代は終わりつつあります。一方で、推薦・総合型も決して「楽な道」ではありません。大切なのは「わが子の強みと現状に合った方式を、早めに見極めること」です。
最後に——「親の焦り」が子どもを追い詰めないために
受験情報を調べれば調べるほど、保護者は焦りを感じやすくなります。「もう遅いんじゃないか」「うちの子は準備が足りないんじゃないか」——そんな不安は多くの保護者が感じるものです。保護者の役割は「先回りして全部決めること」ではなく、「子どもが自分で考えて決められるように、情報と環境を整えること」です。この記事が、わが家の受験戦略を考えるための一助になれば幸いです。
