大学受験にかかる費用は、塾代・模試・受験料・入学金とさまざまな項目があり、トータルでいくらかかるのか把握しにくいものです。この記事では、入学前までにかかる費用を項目ごとに整理し、情報源とともにわかりやすく解説します。
入学前までにかかる費用
① 塾・予備校代(3年間トータル)

おかぁちゃん、部活の先輩や、友達もほとんど塾に行ってるみたい。私も検討してみたいな・・・

そうね、先輩ママも”受験は情報戦。学校だけでなく、予備校・塾、卒業生・・・、多角的に情報収集することが大事!”とおっしゃっていたわ。

毎週のように予備校から勧誘の郵便物が届くけど、費用が書いてないね。どれぐらいするんだろう・・・(汗)

先輩ママが”予備校のオススメされるままに講義を取ったら、すごい金額になるから、親の方で選別した”と、話していたわ。相場を調べてみようか。
大学受験にかかる費用の中で、最もまとまった金額になりやすいのが塾・予備校代です。高1から高3までの3年間でどれくらいかかるのか、種類別に見ていきましょう。
まず「平均」から確認する
文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、塾費用を実際に支出している高校生(全日制・公立)の年間平均は約38万2千円です。
ただし、これは大学受験を意識した塾に通っている家庭だけを抽出したデータではなく、定期テスト対策や補習目的も含む平均値です。大学受験を本格的に意識して通塾している家庭では、この数字をさらに上回るケースが珍しくありません。
※ 本データは令和5年度(2023年)の調査結果です。物価上昇の影響を受けて、塾・予備校の費用は近年上昇傾向にあるため、実際にかかる費用はさらに高くなる可能性があります。
塾の種類と費用の目安
【大手予備校(集団授業型)】
河合塾・駿台・東進ハイスクールなどが代表例です。各予備校の公式サイトには授業料の一覧は掲載されておらず、コース・科目数・志望校によって費用が変わるため、入塾説明会での個別確認が必要です。
複数の塾比較サイトの調査をまとめると、授業料・入塾金・季節講習費をすべて含めた場合の年間費用は80〜150万円程度が目安とされています。ただしこれは各比較サイトの独自調査・推計値であり、公式の料金表は公開されていません。3年間通い続けた場合、200〜400万円規模になる可能性があります。
⚠️ 正確な金額は各予備校の入塾説明会・個別相談で必ず確認してください。季節講習・模試・テキスト代が別途かかる場合もあります。
【個別指導塾】
講師1人に対して生徒1〜2人で指導を受ける形式です。苦手科目に絞って通う家庭も多く、受講科目数で費用が大きく変わります。塾比較サイトの独自調査では、1対1指導で1科目あたり月3〜5万円、1対2指導では月2.5〜4万円が相場とされています。複数科目を受講したり季節講習が加わると、年間60〜150万円超になることもあります。
【オンライン塾・映像授業型】
スタディサプリに代表される映像配信型は費用を大幅に抑えられます。スタディサプリの場合、公式サイトに掲載されている料金は月額2,178円(12か月一括払いの場合は年間21,780円)で、3年間通しても約6〜7万円です。
※ 料金は変更になる場合があります。最新情報はスタディサプリ公式サイトをご確認ください。
費用の比較まとめ
| 種類 | 年間費用の目安 | 3年間の目安 | 情報源の種別 |
|---|---|---|---|
| 大手予備校 | 80〜150万円 | 200〜400万円 | 各塾比較サイトの推計値 |
| 個別指導塾 | 60〜150万円 | 180〜360万円 | 各塾比較サイトの推計値 |
| オンライン映像型 | 2〜6万円 | 6〜18万円 | スタディサプリ公式サイト |
※ 大手予備校・個別指導塾の費用は推計値です。各塾への問い合わせで必ず確認してください。
親として知っておきたいこと
- 季節講習は別料金になることが多い。特に夏期講習は数講座申し込むだけで10万円前後になるケースがあります。年間費用を計算するときに見落としやすいポイントです。
- 入塾金の割引制度がある。多くの予備校で、模試受験者やインターネット申込者への入塾金免除・割引キャンペーンが設けられています。
- 「全科目通わせなくていい」という選択肢もある。得意科目は独学やオンライン教材でカバーし、苦手科目だけを塾で補う方法で費用を大幅に抑えられます。
② 模試代

学校で年間の模擬試験の日程が配られて、全員必須で受けるものが4回あったよ。それ以外の模試はどれぐらい受けたらいいのかな?

高1~2年のうちは、年3~4回程度だけど、高3になると1~2か月に1回受けるそうよ。模試代も結構かかりそうね。(汗)ちょっと計算してみようか・・・。
「どこに出願すべきか」「今の学力は志望校に届いているか」を確認するために、模試は大学受験の必須アイテムです。ただし回数を重ねるとそれなりの出費になるため、事前に把握しておきましょう。
主な模試の受験料(1回あたり・公式情報)
【河合塾 全統模試】(出典:河合塾公式サイト)
- 全統共通テスト模試・全統記述模試:1回 7,100円前後(税込)
- 大学別入試オープン(東大・京大など):1回 9,500〜10,000円前後(税込)
【駿台模試】(出典:駿台予備学校公式サイト)
- 駿台全国模試:高3・卒生 7,800円(税込)
- 大学別入試実戦模試:9,500円(税込)
- 駿台atama+学力判定テスト:3,000円(オンライン受験・割安)
※ 模試の受験料は年度によって変更になる場合があります。最新の受験料は各予備校の公式サイトでご確認ください。
高3の1年間でかかる模試代の目安
大学受験を本格的に意識する高3では、共通テスト模試・記述模試・大学別模試を合わせて年間6〜10回程度受験するケースが多いです。上記の公式受験料をもとに計算すると、全統共通テスト模試と全統記述模試を各3回ずつ受けるだけで約43,000円。さらに大学別模試(9,500円〜)を加えると、1年間の模試代は5〜7万円程度が現実的な目安です。
※ この計算は個人申込の場合の受験料をもとにした目安です。学校一括申込では割安になるケースがあります。在籍校の先生に確認してみてください。
親として知っておきたいこと
- 学校経由で申し込むと安くなることがある。個人申込より安いケースがあるため、まず学校の先生に確認を。
- 塾生は模試が無料・割安になることがある。在籍する予備校によっては模試費用が授業料に含まれているため、入塾前に確認しておくと安心です。
- 高1・高2は年1〜2回で十分。高3の夏以降から本格的に増やすのが一般的です。闇雲に受けすぎると費用がかさむうえ、復習の時間も取れなくなります。
③ 参考書・教材費
意外と積み上がるのが参考書代です。「とりあえず有名な参考書を全部買った」という失敗談は保護者の間でよく聞きます。
⚠️ 参考書・教材費については公的な統計データが存在しません。以下の金額は受験経験者の体験談や各種情報をもとにした参考値です。受講科目数・塾の有無・志望校によって大きく異なります。
| 種類 | 1冊あたりの価格目安 | 3年間の目安 |
|---|---|---|
| 参考書・問題集(英語・数学・国語など) | 1,000〜2,000円 | 3〜10万円 |
| 赤本(志望校の過去問) | 2,000〜3,000円 | 1〜3万円 |
| 合計 | — | 5〜15万円前後 |
赤本について
過去問集として定番の「赤本」(教学社)は志望校ごとに購入が必要です。私立大学を複数受験する場合は、受験校の数だけ必要になります。受験後は不要になるため、先輩からもらう・フリマアプリで入手するという方法で節約する家庭も多いです。ただし、できるだけ新しい年度のものを使うことが重要です。
親として知っておきたいこと
- 参考書は「少数精鋭」が鉄則。同じ科目の参考書を何冊も買い揃えても、1冊を完璧に仕上げた方が効果的です。買い与えすぎないよう、子どもと相談しながら決めましょう。
- 学校や塾のテキストで代用できる場合がある。予備校に通っていれば、そのテキストで十分なケースも多く、参考書を別途買い足す必要がない科目もあります。
- 電子書籍・サブスクとの組み合わせも選択肢。スタディサプリなどのオンライン教材と参考書を組み合わせると費用を抑えられます。
④ 受験料

先輩から聞いたんだけど、私立大学の共通テスト利用の出願、可能な限り申し込むようにと先生が言っていたって。

(受験料だけでいくらかかるのかしら…。)
そうね、共通テスト利用の場合、個別試験よりも費用も手間も押さえられるけれど、たくさん受験したらそれだけお金がかかるしね。
いよいよ受験本番の費用です。受ける大学の数だけかかるため、気づいたら10万円を超えていたというご家庭は珍しくありません。
❶ 大学入学共通テストの受験料
共通テストは、国公立大を目指す子はほぼ全員、私立大志望の子も多くが受験します。2026年度の受験料は3教科以上18,000円、2教科以下12,000円です。なお支払い方法を問わず一律188円の手数料がかかります(出典:スタディサプリ進路・2026年度共通テスト情報)。
💡 出願時期は例年9〜10月。受験料の支払い期限と出願期限は別々に設定されているため、うっかり見落としがちです。子どもと一緒に早めにスケジュールを確認しましょう。
❷ 国公立大学の受験料(二次試験)
国立大学の入学検定料は国立大学法人法に基づいて17,000円と規定されており、前期・後期の両方に出願する場合は合計34,000円必要です。国公立大学は前期・後期・中期(公立のみ)の最大3回出願できますが、実際に受験できるのは前期か後期のどちらか1つ。出願だけして受験しなかった場合でも、受験料は返ってきません。
❸ 私立大学の受験料
私立大学の受験料は、共通テスト利用入試が約15,000〜20,000円、共通テストを利用しない個別試験は約35,000円が目安です(出典:河合塾マナビス)。
| 受験パターン | 受験料の合計目安 |
|---|---|
| 共通テストのみ | 約18,000円+手数料188円 |
| 国公立前後期+私立2校(個別試験) | 約12万円 |
| 国公立前後期+私立4〜5校 | 約20〜25万円 |
| 難関私立複数校(早慶+MARCH数校など) | 約20〜30万円超 |
受験料を節約する3つの方法
- 共通テスト利用入試を活用する。私立大学の共通テスト利用入試は、現地に行く必要がなく受験料も15,000〜20,000円と個別試験より安め。「滑り止め校の確保」に向いています。
- 学内併願割引を使う。1つの大学内で2学部以上受験する学内併願では、2学部目以降の受験料が割引になるケースがあります(出典:ベネッセ教育情報)。
- インターネット出願の割引を活用する。インターネット出願を導入する大学が増えており、多くの大学でインターネット出願時に入学検定料や併願検定料の割引を行っています(出典:東進)。
まとめ:受験料だけで総額いくら?
| 費用の種類 | 金額の目安 | 情報源 |
|---|---|---|
| 共通テスト | 18,000円+188円 | 大学入試センター・2026年度確認済み |
| 国公立二次(前期・後期) | 34,000円 | 国立大学法人法 |
| 私立大学3〜5校(個別試験) | 10〜17万円 | 河合塾マナビス掲載の相場 |
| 合計 | 約16〜22万円 | — |
⚠️ これはあくまで受験料の合計です。遠方受験の場合は交通費・宿泊費が別途かかります。
⑤ 交通費・宿泊費
受験費用の中で最も見積もりが甘くなりやすいのが交通費と宿泊費です。複数校受験・遠方受験が重なると、あっという間に10万円を超えることがあります。
費用の目安
東京〜大阪間など遠方を新幹線で移動する場合の往復交通費は約3万円程度、ビジネスホテルの宿泊費は1泊8,000〜10,000円が目安です(出典:キミニュー)。受験料に加えて宿泊費・往復新幹線代・食事代・会場までの交通費を合計すると、大阪から東京の国立大学を受験する場合で約10万円かかるという試算もあります(出典:ベネッセ教育情報)。
※ 新幹線代・ホテル代は時期や予約タイミングによって変動します。受験シーズン(1〜2月)は宿泊費が高騰する傾向があります。受験スケジュールが固まったら早めに宿を押さえることをおすすめします。
「保護者の付き添い」は費用が2倍に
保護者が受験に付き添う場合、交通費・宿泊費ともに倍額で考える必要があります(出典:ホームメイト)。「最初だけついていくつもりが毎回行っていた」というのは保護者あるあるです。子どもの自立の観点からも、付き添いの範囲はあらかじめ話し合っておくといいでしょう。
交通費・宿泊費を抑える3つの方法
- 学外試験(地方試験)を活用する。多くの私立大学が自宅近くで受験できる学外試験を実施しています。志望校が地方試験を実施していないか、各大学の公式サイトで早めに確認しましょう。
- 複数校の受験日程を近い日にまとめる。遠方に何度も行くより、同じ都市の複数校を日程を連続させてまとめて受験するほうが節約になります。ただし連日の試験は疲労が蓄積するため、無理なスケジュールには注意が必要です。
- 早割・学割を使う。新幹線は早めに予約するほど割安になる早割切符があります。JR各社の学割証(学校から発行)を使うと運賃が2割引になります。
⑥ 入学金

もし私立に受かって、後から国公立にも受かったら、私立に支払った入学金って返ってくるの? 数十万円も無駄になっちゃうの⋯?(そんな大金あったら、旅行に使いたい⋯)

それって大事な観点ね!
私立の入学金振込期限と国公立の合格発表の日程をよく確認する必要がありそうね。
受験シーズン最大のお金の難問が入学金です。金額の大きさだけでなく、「振込期限」と「辞退しても返金されない」という2つのルールが保護者を悩ませます。
各大学の入学金の相場(最新データ)
| 大学の種別 | 入学金の目安 | 情報源 |
|---|---|---|
| 国立大学 | 282,000円(標準額) | 文部科学省令(標準額) |
| 公立大学 | 約374,000円(平均) | 文部科学省調査(令和5年度) |
| 私立大学 | 約240,000円(平均) | 文部科学省調査(令和7年度・最新) |
令和7年度の文部科学省調査によると、私立大学の入学料の平均は240,365円、初年度納付金の総計(授業料・入学料・施設設備費等の合計)は1,507,647円で、令和5年度比で2.1%増加しています。
📌 私立大学の初年度納付金は令和5年度から令和7年度にかけて2.1%上昇しており、インフレの影響を受けています。今後も増加傾向が続く可能性があるため、志望校の公式サイトで最新の納付金額を必ず確認してください。
また、2025年4月時点では千葉大学・東京大学・東京科学大学・東京芸術大学・東京農工大学・一橋大学が標準額より高い授業料を設定しています(出典:河合塾 Kei-Net)。国立大学でも費用が異なるケースがあるため、志望校の公式サイトで確認してください。
「入学金の振込期限問題」——保護者が最も驚くポイント
私立大学の合格発表は国公立大学より早く、入学手続き期限も早めに設定されています。第一志望の国公立大学の合格発表を待っている間に、滑り止めの私立大学の入学金振込期限が来てしまうため、「とりあえず払っておかないと入学の権利を失う」という状況になります。
2006年の最高裁判決では「入学金返還について、入学辞退の時期を問わず一般的に返還請求はできない」とされています。つまり、私立の入学金を払ってから国公立に合格・入学辞退しても、約20〜30万円は戻ってきません。
ただし、ここにも変化が起きています。2025年6月、文部科学省が全国の私立大学に対し入学金の負担軽減を検討するよう通知を出しました。入学金の分割払いや入学辞退時の返還などが想定されており、2026年度入試に間に合わせるよう各私立大学が検討することが予想されます。一部の大学ではすでに返還制度を導入しているため、受験する大学の最新情報を必ず確認することをおすすめします。
入学金の二重払いを避けるために
- 各大学の「入学手続き期限」を一覧にして管理する。合格発表日と入学金振込期限は大学ごとに異なります。家族で一覧表を作り、見落としがないようにしましょう。
- 「国公立合格者への入学金返還制度」がある大学を確認する。制度がある大学を出願前に調べておくと、最悪のケースでも損失を抑えられます。
- 授業料は返ってくる場合がある。授業料などは4月1日以前に入学辞退の手続きをすれば大学側に返還の義務があります(出典:弁護士JP)。入学金とは扱いが異なるため、区別して理解しておきましょう。

改めてまとめてみたら、入学前だけでこんなにかかるのね・・・。
塾代・模試・受験料・入学金、全部合わせると軽く100万円超えることもあるわ。

・・おかぁちゃん、ありがとう(しみじみ)。第一志望の大学に合格できるよう頑張る!
(って、まだ志望校も志望学部も定まってないけど・・・)

その言葉だけで母も仕事、がんばる!
