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高校生の子どもが理系に進むと決めたとき、次に悩むのが「理科をどの科目で受験するか」です。
物理・化学・生物・地学のどれを選ぶかで、受験できる大学・学部が大きく変わります。しかも、高1〜高2の早い時期に選択を迫られる学校も多く、「よくわからないまま決めてしまった…」という声も少なくありません。

おかあちゃん、理系に進むことは決めたけど、理科は物理・化学・生物のどの2つを選べばいいんだろう? 地学もおもしろそうだけど、うちの高校では開講していないみたい。

行きたい学部もまだ決まっていないのに、もう科目を選ばなきゃいけないのね。これはしっかり調べないと!

一番好きなのは化学なんだけど、もう1科目は物理と生物、どっちがいいんだろう…?

興味のある科目を選ぶのはもちろん大切。でも大学入試の科目として見ると、受けられる学部の幅が広がるほうが安心よね。一緒に調べてみよう!
この記事では、理系の理科科目選択について、
- 4科目それぞれの特徴
- 共通テストでの点数の取りやすさ(令和3年度からの平均点の推移)
- 自学自習(独学)のしやすさ
- 志望学部別のおすすめの組み合わせ(実際の大学の入試科目つき)
- 二次試験の対策方法
を、保護者目線でわかりやすくまとめました。
理科の科目選択はいつ決まる?
多くの高校では、高1の秋〜冬に文理選択をし、それと同時か高2進級時に理科の選択科目を決めます。理系の国公立大学志望であれば、共通テスト・二次試験ともに理科2科目が必要になるのが一般的です。
一度選んだ科目を途中で変えるのは、授業や定期テストとの兼ね合いもあり、かなり大変です。だからこそ、「将来どの学部に進む可能性があるか」を親子で話しておくことが大切です。
物理・化学・生物・地学の特徴を比較
| 科目 | 学習の特徴 | 暗記量 | 数学との関係 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| 物理 | 少ない法則を組み合わせて解く。理解できると一気に伸びる | 少ない | とても強い(ベクトル・三角関数・微積) | 数学が得意な人、仕組みを考えるのが好きな人 |
| 化学 | 理論(計算)・無機(暗記)・有機(パズル)のバランス型 | 中くらい | 計算力が必要 | 理系ほぼ全員。まず「確定」で選ばれる科目 |
| 生物 | 知識に加え、実験データを読み解く考察問題が重視される | 多い | 弱め(遺伝の計算など一部) | 生き物・人体に興味がある人、文章読解が得意な人 |
| 地学 | 天文・気象・地質・地震など身近なテーマが多い | 中くらい | 一部で計算あり | 地球惑星科学を学びたい人(開講していない高校も多い) |
※表は横にスクロールできます
物理|「わかる」と強い、得点が安定しやすい科目
物理は公式の数が少なく、運動方程式やエネルギー保存則などの基本法則を組み合わせて問題を解きます。暗記量は4科目で最も少ない一方、数学との相性が大きく影響します。最初の理解でつまずくと苦手意識が残りやすいのが難点ですが、得意になれば満点近くを安定して狙えます。工学部志望なら、ほぼ必須の科目です。
化学|理系なら「まず選ぶ」基本の科目
化学は、計算中心の理論化学、暗記中心の無機化学、構造を考える有機化学の3分野からなるバランス型です。医学部・薬学部・農学部・工学部・理学部と、ほぼすべての理系学部で使えるため、多くの理系生が選択します。実際の科目選択は「化学+物理」か「化学+生物」かで悩むケースがほとんどです。
生物|暗記だけでは解けない「考察力」の科目
生物は暗記量が多いイメージがありますが、最近の入試では初めて見る実験の結果を読み解く考察問題が増えています。計算は比較的少なく、数学が苦手な理系生にも選ばれています。医学部・薬学部・農学部・生命科学系と相性が良い一方、工学部は物理を必須とする大学がほとんどなので注意が必要です。
地学|選択肢が狭くなりやすい科目
地学は内容が身近で取り組みやすい科目ですが、「地学基礎」ではない「地学」を開講している高校は多くありません。また、医学部では地学を選べないことが多いのも注意点です(京都大学・大阪大学・名古屋大学の医学部医学科は、いずれも物理・化学・生物から2科目)。一方で、東京大学の理科一類〜三類や、京都大学の理学部・農学部・薬学部などでは地学も選べます。
共通テストでの点数の取りやすさ|科目による有利・不利はある?
「物理と生物、どっちが点数を取りやすいの?」は、保護者がよく抱く疑問です。結論から言うと、平均点を見る限り「いつも点数を取りやすい科目」はありません。共通テストが始まった令和3年度からの平均点を見てみましょう。
令和3年度からの平均点の推移(物理・化学・生物・地学)

※表は横にスクロールできます。令和3年度の物理・化学、令和5年度の化学・生物は得点調整後の平均点です(白丸は調整前)。
| 科目 | 令和3年度 (2021) | 令和4年度 (2022) | 令和5年度 (2023) | 令和6年度 (2024) | 令和7年度 (2025) | 令和8年度 (2026) | 最高と最低の差 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ● 物理 | 62.36 (調整前57.82) | 60.72 | 63.39 | 62.97 | 58.96 | 45.55 | 17.84点 |
| ● 化学 | 57.59 (調整前51.06) | 47.63 | 54.01 (調整前48.56) | 54.77 | 45.34 | 56.86 | 12.25点 |
| ● 生物 | 72.64 | 48.81 | 48.46 (調整前39.74) | 54.82 | 52.21 | 55.01 | 24.18点 |
| ● 地学 | 46.65 | 52.72 | 49.85 | 56.62 | 41.64 | 44.29 | 14.98点 |
出典:大学入試センター公表の本試験平均点(令和3年度は第1日程)をもとに作成
グラフからわかること
- 同じ科目でも、年によって10〜20点以上変わる:生物は令和3年度の72.64点から翌年は48.81点へ、約24点も下がりました(令和5年度は得点調整前で39.74点)。物理も令和8年度は前年から13点以上下がり、センター試験時代を含めて過去最低の45.55点でした。
- 「一番平均点が高い科目」は入れ替わる:令和3年度は生物(得点調整前は物理・化学と15〜22点の差)、令和4〜7年度は物理、令和8年度は化学がトップでした。物理は令和8年度には下から2番目です。
- 平均点の差には受験者の違いも影響する:物理は数学が得意な受験生が選ぶことが多く、受験者層の違いも平均点に表れていると考えられます。平均点が高い=誰にとっても簡単、というわけではありません。
- 地学は受験者が少ない:令和8年度の地学の受験者は約2,700人と、物理(約14.5万人)や化学(約18.2万人)と比べてごくわずかで、平均点がぶれやすい科目です。
差が大きすぎる年は「得点調整」が行われる
共通テストでは、選択科目の間で平均点に原則20点以上の差が開き、それが問題の難しさの違いによるものと判断された場合に、得点調整が行われます。
共通テストが始まった令和3年度以降、理科(物理・化学・生物)では令和3年度と令和5年度の2回、得点調整が行われています。
- 令和3年度:生物72.65点に対して化学51.06点と、差が21.59点に開きました。そのため物理は57.82点→62.36点、化学は51.06点→57.59点に引き上げられました(生物は変わらず)。
- 令和5年度:物理63.39点に対して生物39.74点と、差が20点を超えました。そのため生物は39.74点→48.46点、化学は48.56点→54.01点に引き上げられました(物理は変わらず)。
面白いのは、令和3年度は生物が「一番簡単」で他の科目が引き上げられ、令和5年度は生物が「一番難しい」側で引き上げられたことです。わずか2年で立場が逆転しています。なお、地学はどちらの年も受験者数が1万人未満のため、調整の対象外でした。
一方、令和8年度は物理と化学の差が約11点にとどまり、得点調整は行われませんでした。つまり、極端に差がついた年は調整で救済されますが、10点程度の差はそのままということです。
ポイント:「点数の取りやすさ」で科目を選ぶ必要はない
どの科目が難しくなるかは毎年変わり、予想できません。極端な差が出た年は得点調整もあります。「去年は生物が簡単だったから」「物理は平均点が高いから」という理由で選んでも、受験する年に有利になるとは限りません。
だからこそ、科目は行きたい学部の入試で使える科目から選ぶのがおすすめです。学部ごとの具体的な指定は、このあとの「志望学部別のおすすめの組み合わせ」で紹介します。
科目ごとの得点傾向
- 物理:得意な人は満点近くを安定して取れる。苦手な人は大きく崩れやすい
- 化学:年による難易度の差が大きく、計算量も多いので時間配分がカギ
- 生物:知識があっても考察問題で差がつきやすく、9割以上は意外と難しい
- 地学:受験者数が少なく、年によって平均点がぶれやすい
共通テストの理科は、知識があるだけでは足りず、限られた時間で資料やグラフを読み取る力が求められます。どの科目を選んでも、本番形式の問題に早めに慣れておくことが大切です。
自学自習(独学)のしやすさ
| 科目 | 独学のしやすさ | 理由 |
|---|---|---|
| 生物 | ◎ | 暗記部分は教科書・図説で進められる。考察問題は演習量で慣れられる |
| 化学 | ○ | 無機・有機は暗記中心で独学しやすい。理論化学の計算は解説を聞いた方が早い |
| 物理 | △ | 力の図示や電磁気など、最初の概念理解でつまずくと独学では抜け出しにくい |
| 地学 | △〜○ | 内容は取り組みやすいが、授業がない学校が多く、参考書・問題集の数も少ない |
※表は横にスクロールできます
特に物理は、「最初の理解」だけプロの解説を聞き、その後は問題集で演習するという進め方がおすすめです。学校の授業だけでは理解が追いつかない場合や、地学のように学校で授業がない科目も、映像授業を使えば自分のペースで学べます。
映像授業で「わからない」を自宅で解消するなら|スタディサプリ
スタディサプリは、人気講師の映像授業をスマホやパソコンで見られるオンライン学習サービスです。
- 物理・化学・生物・地学の基礎から入試レベルまで、映像授業で学べる
- 共通テスト対策の講座もあり、苦手な単元だけピンポイントで見直せる
- 部活で忙しい高校生も、スキマ時間に自分のペースで進められる
「物理の最初でつまずいた」「学校で地学の授業がない」というときの強い味方になります。
志望学部別のおすすめの組み合わせ
ここからは、各大学が公表している令和9年度(2027年度)入学者選抜要項をもとに、学部ごとに必要な理科の組み合わせを見ていきます。表の「大学の例」は、主に個別学力検査(二次試験)の指定です。
| 志望学部 | 物理+化学 | 化学+生物 | 物理+生物 | 地学を含む | 指定のポイント(2027年度入試) |
|---|---|---|---|---|---|
| 工学部 | ◎ | × | △ | × | 物理は必須。2科目目は化学指定が多い(名古屋大・京都大)。大阪大の工学部・基礎工学部は物理+生物も可 |
| 理学部 | ◎ | ○ | ○ | ○ | 4科目から2科目選択が多い(京都大・名古屋大は地学も可)。物理学科は物理必須など学科による(大阪大) |
| 医学部 | ◎ | ◎ | ○ | × | 物理・化学・生物から2科目が一般的(京都大・大阪大・名古屋大)。地学は東京大 理科三類など一部のみ |
| 薬学部 | ◎ | ◎ | ○ | △ | 物理・化学・生物から2科目(大阪大)。京都大は地学も可。学ぶ内容は化学が中心 |
| 農学部 | ◎ | ◎ | ○ | △ | 2科目選択で生物も選びやすい(名古屋大)。京都大は地学も可 |
◎:ほとんどの大学で受験できる ○:多くの大学で受験できる(学科によっては不可) △:一部の大学のみ ×:ほぼ受験できない
※表は横にスクロールできます。各大学の令和9年度(2027年度)入学者選抜要項をもとに作成。必ず志望校の最新の募集要項をご確認ください。
迷ったときの3つの目安
①志望学部がまだ決まっていないなら、「物理+化学」が一番選択肢を残せる
②化学はほぼすべての理系学部で使える「確定枠」
③物理を選ばないと工学部の道はほぼ閉じる。将来工学部に進む可能性があるか、親子で話しておくと安心
私立大学の例:早稲田大学の理工3学部
早稲田大学の基幹理工・創造理工・先進理工の3学部は、同じ日に同じ問題で試験を行いますが、学系・学科によって選べる理科の組み合わせが違います。お子さんの理科の組み合わせで、どこが受験できるかを確認してみましょう。
| 学部 | 学系・学科 | 物理+化学 | 化学+生物 | 物理+生物 |
|---|---|---|---|---|
| 基幹理工 | 学系1(数学科・応用数理学科) | ○ | ○ | ○ |
| 基幹理工 | 学系2(応用数理・機械科学・航空宇宙・電子物理システム) | ○ | × | × |
| 基幹理工 | 学系3(応用数理・情報理工・情報通信) | ○ | × | × |
| 基幹理工 | 学系4(情報理工・情報通信・表現工) | ○ | ○ | ○ |
| 創造理工 | 全学科(建築・総合機械工・経営システム工・社会環境工・環境資源工) | ○ | × | × |
| 先進理工 | 物理学科・応用物理学科 | ○ | × | × |
| 先進理工 | 化学・生命化学科 | ○ | × | × |
| 先進理工 | 応用化学科 | ○ | ○ | × |
| 先進理工 | 生命医科学科・電気・情報生命工学科 | ○ | ○ | ○ |
○:受験できる ×:受験できない
※表は横にスクロールできます。基幹理工学部は「学系」単位で入学し、2年次から( )内の学科に進みます。早稲田大学「2027年度 一般選抜 入試要項」をもとに作成。
物理+化学なら、理工3学部のすべての学系・学科を受験できます。一方、化学+生物で受験できるのは、基幹理工の学系1・学系4と、先進理工の応用化学科・生命医科学科・電気・情報生命工学科に限られます。また、先進理工学部では同じ理科の組み合わせで受験できる学部内の他学科を第二志望にできるため、科目の組み合わせは併願の幅にも影響します。
二次試験の対策方法|大学の「出題の意図」から読み解く
国公立大学の多くは、入試が終わると問題・解答例とあわせて「出題の意図」を公式サイトで公開しています。「この問題でどんな力を見たかったのか」を大学自身が説明した資料なので、二次試験対策の一番確かな手がかりになります。
京都大学・大阪大学・北海道大学・東北大学の令和8年度(2026年度)入試の資料を読むと、どの科目にも共通する方向性が見えてきます。
二次試験で求められる3つの力
①基本法則・基礎知識の正確な理解(丸暗記ではなく「意味」の理解)
②初めて見る状況や実験データを、知識と結びつけて考察する力
③考えた過程を自分の言葉で論理的に説明する力
科目ごとに問われる力(概要)
| 科目 | 二次試験で問われる力 |
|---|---|
| 物理 | 基本法則を正しく使い、複数の分野(力学と電磁気など)の知識を組み合わせて現象を説明する力。公式の機械的な当てはめだけでは解けない問題が出る |
| 化学 | 問題文で示された情報や実験結果から、生成物や数値を論理的に導き出す力。環境・資源など社会と結びついたテーマも出題される |
| 生物 | しくみの理解をもとに、実験結果やグラフを考察し、それを論述する力 |
| 地学 | 天文から地球内部まで幅広い現象について、背景にあるプロセスを理解し、論理的に説明する力 |
※京都大学・大阪大学・北海道大学・東北大学の令和8年度「出題の意図」をもとに要約
東北大学「志願者へのメッセージ」から考える、各科目を学ぶ意義と勉強法
東北大学は、出題意図の最後に「志願者へのメッセージ」を載せています。試験の話にとどまらず、「その科目を学ぶとはどういうことか」が書かれていて、科目選択に迷っている段階の高校生や保護者にもぜひ読んでほしい内容です。ここでは一部を引用して紹介します。
物理|現象をイメージし、法則の「意味」で考える
物理は自然現象の中にある普遍的な基本法則を見いだし、その法則を用いて、対象となる現象を理解・説明する学問です。
物理の問題を暗記とパターン認識だけで解くことはできません。
― 東北大学 令和8年度 出題意図(物理)「志願者へのメッセージ」より
学ぶ意義:身の回りの複雑な現象を、シンプルな法則で説明できるようになるのが物理の面白さです。現象を単純化して考える力は、工学をはじめ多くの分野の土台になります。
勉強法:
- 図やグラフを描いて、現象をイメージしてから解く:メッセージでも「物理現象は、図やグラフを描くことでイメージしやすくなります」と書かれています
- 公式は「意味」とセットで覚える:実際の講評でも、力学的エネルギー保存則を正しく立式できない答案が多く、正答率が低くなった設問がありました
- 途中の考え方を言葉で書く:「数式を羅列するだけでなく、言葉や図などを使って、どのように考えてその結果を導いたのかが伝わるような記述」が求められています
化学|何が問われているかを見きわめ、知識を的確に使う
試験問題の説明文を通して、何が問われているかを見きわめる過程がとても重要です。
自分の発想を紙に表現する力、正確に読み手に伝えられるスキルも求められます。
― 東北大学 令和8年度 出題意図(化学)「志願者へのメッセージ」より
学ぶ意義:メッセージは「化学が関連する分野、利用される領域はとても広いです」と始まります。鉱物や生き物の理解から身の回りの製品づくりまで、化学は多くの理系分野の共通言語です。化学がほぼすべての理系学部で使える理由もここにあります。
勉強法:
- 問題文を丁寧に読む練習をする:暗記した反応パターンを当てはめるのではなく、問題文の情報から「何が問われているか」をつかむ力が必要です
- 分野をまたいで知識を使う:「物事を多面的に捉えて、身につけた化学の知識を的確に用いる訓練」が大切だとされています
- 数値と単位を丁寧に扱う:メッセージでも「数値や単位の取り扱いにも十分に注意を払わなければなりません」と強調されています
生物|用語の暗記ではなく、しくみを理解する
用語をただ暗記するだけではなく、その背景となっている現象やしくみを理解することがとても大切です。
― 東北大学 令和8年度 出題意図(生物)「志願者へのメッセージ」より
学ぶ意義:生物学は、私たち自身を知ることにつながるだけでなく、「人類全体やほかの生物、そして地球環境にとってのよりよい未来を構築するために必要な学問」だと述べられています。医療・農業・環境など、社会とのつながりが特に深い科目です。
勉強法:
- 「暗記科目」と思わない:用語を覚えたら、それがどんな現象・しくみを表しているのかを説明できるようにしましょう
- 知識を組み合わせて実験を考察する練習をする:講評では、複数の基本知識を組み合わせて実験結果を推測・説明する設問の正答率が非常に低かったと書かれています
- 興味を持って学ぶ:メッセージは、生命の魅力を「感じとり、考えながら勉強していただきたい」と呼びかけています。それが深く論理的な理解につながるとされています
地学|根拠・証拠・理屈を自分の言葉で説明する
物理学、化学、生物学、数学を含む広範な科学の知識とともに、多面的・多角的な考察や総合的な理解が求められます。
教科書に記載されている多様な事項や事象について、丁寧に根拠、証拠、理屈を読み取り、自分の言葉で論理的に説明できる力を身につけることを期待します。
― 東北大学 令和8年度 出題意図(地学)「志願者へのメッセージ」より
学ぶ意義:地学は、地球の中心から宇宙まで、また宇宙の誕生から未来までという、とても大きな空間と時間を扱う学問です。他の理科科目の知識を総動員して考える、総合的な科目といえます。
勉強法:
- 「なぜそう言えるのか」まで理解する:講評では、観察記録がなぜ不整合の根拠になるのかを説明できていない答案があったと指摘されています
- 知識の「出どころ」を意識する:教科書の知識が「どのような観測や観察、理論によって」得られたものかを捉えることが、理解を深めるために重要だとされています
- まず志望校で地学が使えるか確認する:二次試験で地学を課す大学は限られるので、科目選択の前に確認しておきましょう
4科目に共通するメッセージ
どの科目のメッセージも、「暗記やパターンの当てはめではなく、意味を理解し、自分の言葉で説明すること」を求めています。これは、点数の取りやすさよりも、子どもが興味を持って深く考えられる科目を選ぶことが大切だというヒントにもなります。行きたい学部で使える科目の中から、「この科目なら考えるのが楽しい」と思えるものを選べるといいですね。
志望校の「出題の意図」を読んでみよう
出題の意図は、各大学の入試情報ページで、過去問・解答例と一緒に公開されています。科目選択を考える段階で、親子で一度読んでみるのもおすすめです。
- 東北大学:個別学力試験 出題意図(講評・志願者へのメッセージ付き)
- 京都大学:令和8年度「試験問題」及び「解答又は解答例等及び出題意図」
- 大阪大学:令和8年度入試の問題・解答例等
- 北海道大学:令和8年度一般選抜 試験問題及び正解・解答例等
※大学によって、出題の意図を公開していない科目や、解答例のみの科目もあります。
二次試験の対策は、共通テストの基礎がしっかり固まっていることが前提です。高3の秋以降は共通テスト対策と二次対策を並行することになるので、高2のうちから基礎を積み上げておくと安心です。そのうえで、どの大学も重視している「記述・論述の力」は、自分ひとりでは伸ばしにくい部分です。答案を第三者に見てもらえる環境があると心強いですね。
物理・化学の記述答案を添削で鍛えるなら|Z会の通信教育
東北大学のメッセージにもあったように、二次試験では「どのように考えて答えを導いたか」を答案で伝える力が求められます。ただ、自分の答案がきちんと伝わる書き方になっているかは、ひとりではなかなか判断できません。
- 難関大を目指す高校生・大学受験生向けの通信教育
- 理系の理科は物理・化学の講座が中心。「物理+化学」を選ぶ人に特に向いている
- プロによる答案の添削指導で、記述の書き方を客観的にチェックできる
生物・地学は対応する講座が限られるため、選択科目が合うかどうかを含めて、まずは資料請求で講座の内容を確認してみてください。
親ができるサポート
- 科目選択の前に、志望学部の入試科目を一緒に調べる:大学のホームページや受験情報サイトで、理科の指定を確認しておきましょう
- 志望校の「出題の意図」を一緒に読む:大学がどんな力を求めているかがわかり、子どもの勉強の方向性を確認するきっかけになります
- 「なんとなく」で決めていないか確認する:友達と同じだから、暗記が嫌だから、だけで選んでいないか話を聞いてみましょう
- つまずいたら早めに手を打つ:特に物理は、最初の苦手を放置すると取り戻すのが大変です。映像授業や塾など、早めのサポートを検討しましょう
- 平均点のニュースに振り回されない:「今年は物理が難しかったらしい」といった情報で不安にならず、子どもの得意を伸ばすことを優先しましょう

化学はほぼどの学部でも使えるから決まり。もう1科目は、行きたい学部がまだ決まっていないなら物理のほうが選択肢が広いんだね。

そうね。でも医学部や農学部みたいに生物で受けられる学部もたくさんあるから、まずは行きたい学部の入試科目を一緒に見てみよう。
まとめ
理系の理科科目選択は、受験できる大学・学部を大きく左右する大事な選択です。
- 志望学部が決まっていないなら「物理+化学」が最も選択肢が広い
- 医学部・薬学部・農学部志望なら「化学+生物」も有力
- 共通テストの平均点は年によって大きく変わり、「いつも点数を取りやすい科目」はない。極端な差がついた年は得点調整も行われる
- だからこそ、得点のしやすさより行きたい学部の入試科目から選ぶ
- 物理は最初の理解が大切。独学が不安なら映像授業などを活用する
子どもが自分の得意と将来の進路を考えながら選べるよう、親子で一緒に入試科目を調べるところから始めてみてくださいね。
ご注意
本記事の大学の入試科目は、各大学が公表している2027年度(令和9年度)の入学者選抜要項・入試要項をもとにしています。入試科目は変更されることがあるため、受験の際は必ず各大学の最新の学生募集要項をご確認ください。共通テストの平均点は大学入試センターの発表値です。二次試験対策の「出題の意図」「志願者へのメッセージ」は、京都大学・大阪大学・北海道大学・東北大学が公表している令和8年度入試の資料をもとに要約・引用しています。サービスの内容は記事作成時点の公式サイトの情報です。最新の内容は各公式サイトでご確認ください。
